交通事故で6ヶ月通院した場合の慰謝料の計算方法
交通事故で通院期間が6か月となった場合、慰謝料の相場はどのくらいになるのでしょうか。
慰謝料額は計算基準や怪我の程度によって大きく変動します。
本記事では、通院6か月の場合の具体的な慰謝料相場と、3つの計算基準の特徴や違いについて解説します。
通院6か月の場合の慰謝料相場について
交通事故による入通院慰謝料の相場は、通院期間と通院回数によって大きく変動します。
通院期間6か月(180日間)で実際の通院日数が80日程度の場合の慰謝料相場は以下のとおりです。
症状の程度 | 自賠責保険基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
一般的な傷害 | 68万8,000円 | 116万円 |
軽度な傷害・他覚所見のないむちうち | 68万8,000円 | 89万円 |
慰謝料の金額は以下の要因によって変動する可能性があるので注意しましょう。
- 怪我の重症度
- 月平均の通院回数
- 適用される計算基準
- 後遺障害の有無
通院6か月の入通院慰謝料における3つの計算基準について
交通事故における入通院慰謝料の金額は、適用される計算方法によって大きく変化します。
慰謝料の計算基準には主要な3つの方式が存在します。
1.自賠責基準における慰謝料の計算方法について
自賠責保険は、交通事故の被害者に対する最低限の補償を目的とした制度で賠償金の上限120万円です。
入通院慰謝料は、怪我の重症度に関係なく以下の2つの計算式で算出され、少ない方の金額が採用されます。
計算式①: 日額4,300円×入通院期間(治療開始から終了または症状固定まで)
計算式②: 日額4,300円×実際の通院日数×2倍
自賠責基準は明確な計算方法が定められており、被害者は確実な補償を受けることが可能です。
2.任意保険会社による慰謝料の算定基準について
任意保険会社は独自の基準で慰謝料を算定しており、その計算方法は公開されていません。
示談交渉時の慰謝料額は、この任意保険基準をもとに計算され、金額の水準は自賠責基準と同程度かわずかに高く、弁護士基準より低めです。
自賠責保険で補償しきれない損害は、任意保険から追加で補償を受けることができます。
3.慰謝料の計算における弁護士基準について
弁護士基準は、裁判基準とも呼ばれ、最も公平な慰謝料算定が期待できる計算方式です。
慰謝料額は損害賠償額算定基準に基づき、怪我の程度によって2種類の計算表から算出されます。
重傷の場合(骨折・脱臼・靭帯損傷など)
- 通院6か月で入院なし:116万円
- 通院6か月で入院1か月:149万円
軽傷の場合(むちうち・軽度の打撲など)
- 通院6か月で入院なし:89万円
- 通院6か月で入院1か月:113万円
ただし、通院頻度が少なすぎる場合は減額される可能性があるので注意が必要です。
なお、通院日数や怪我の程度などの諸条件によって、実際の慰謝料額は変動する可能性があります。
まとめ
交通事故の入通院慰謝料は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの計算方法があります。
適用される基準によって慰謝料額は大きく変動し、自賠責基準では最大120万円が上限であり、任意保険基準は保険会社独自の計算方法で算出されます。
弁護士基準は最も高額な補償が見込め、怪我の程度によって重傷用と軽傷用の計算表が用いられます。
適切な補償を受けるには、怪我の状況や通院実績に応じて最適な基準を選択することが重要ですので、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
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- 経歴
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広島県出身
中央大学法学部政治学科卒業
明治大学法科大学院修了
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- 所属団体
- 第二東京弁護士会(53858)
事務所概要
名称 | 弁護士法人法律事務所Astia 弁護士 出口忠明 |
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